銀幕短評(#20)
「追憶の森」
2015年、 アメリカ。
1間時51分、上映中。
総合評価 62点。
主人公の、日本の富士樹海での死を求めての漂泊と、アメリカ在住の記憶映像が代わる代わる織り込まれて物語は進展する。
脇役の渡辺謙が期待に違わず異彩を放つが、残念ながら被写が少ない。
富士樹海での自然の猛威はかなり激しいはずだが、映画ではかなりマイルドに描かれている。主人公のアメリカでの追憶ストーリーは、ありがちな紋切り型である。
と、一通りいじわるを書いてみたが、主演(オスカー主演男優賞)と渡辺謙、ナオミ・ワッツの助演演技は素晴らしく、やや無理なストーリーにリアリティを与えている。
しかし周りの人たちに鑑賞を勧めるか?と問われると、ちょっと口ごもる映画です。わるくはないがパンチがない。それが製作者の意図なのかもしれませんが。