daruma

太陽のdarumaのレビュー・感想・評価

太陽(2016年製作の映画)
4.0
GYAO滑り込み。劇団イキウメの舞台版をテレビで観た事があり結構衝撃を受け、設定は憶えていたんですが、ストーリーは全然忘れてた…こんな話だったか!人類が日に当たると死んじゃう高等生物・ノクスと、旧人類の今でいう普通の人間・キュリオに二分化された時代のお話です。

古舘寛治さんの役がめっちゃ難しい役…!
(言えない。言わない、という苦悩)
古川雄輝くんがめっちゃいい役…!
(色の白さが相まって、まさにビジュアルからもう成功してる)

この二人が個人的にツートップです。

特に古川くん、個人的に凄くいいと思った事は今までに無かったのですが(うっすみません)、本作はめちゃめちゃいいです!!
役どころもいいし、とにかく似合っている。
門番さんの役で制服を着ているのですが、確か彼は「ライチ光クラブ」に出ていたはず…それを思い出した。(ってライチは制服じゃなかったかな!?)

彼は私は「風の色」という作品で知ったのですが(凄くマニアックだと思う…北海道ロケなので地元上映があり観ました)、その時ぶりにいい役だなと思いました。そちらは日韓共同作品なのですが、彼は中国でとても人気があるんですよね。余談でした。
そういえば、ライチのほかに「曇天に笑う」も観ていますが、あれも制服だったかな…?とにかく綺麗系なので、コスプレが似合います。

神木くんとのやり取りがもう最高だった。
結構おどろおどろしいシーンがいくつかあるので(そういう意味ではグロに抵抗がある方は心して観たほうがいいです。物理グロと心理グロ。ほんの少しですけど)、そんな中での微笑ましいふたりが、束の間の心の清涼剤だった…

モリシゲは恐らく、ノクスの中では下層な人間。
(門番という時点で既にそう。知的な職業の扱いではないと思う。夜勤だし…)
ノクスとキュリオの上下関係だけではなく、彼ら(ノクス)の中にもまた、序列がある…ということが垣間見えて、それが胸が痛かった。(実際にそういう台詞もあるんですが、その前に職業的なもので気づいた時に、はっとした)
ある意味、観客に一番近い存在かも知れない。

門脇麦ちゃんだったので観たのですが、彼女はこういう(のを演じてた)時代か!!
(またか。。だから起用されたのかなとも思った)
彼女に起こる、ある出来事が結末に影響してくるのかな?と思ったんですが、それは特に関係なかったみたいで、ちょっと拍子抜けではあった。(もっと悲惨な最後を想像してた。ごめん)
でも、それがきっかけになったのは間違いないと思う。
あまりにも明るすぎて(わざとだと思うけど。そういう演技)、逆に凄いな…!と思った。
ラストが「あのこは貴族」を彷彿とさせます。(今観たならでは)

あと、忘れてはならないのが村上淳さん。
実は最初にも出てくるんですがその時はわからなくて、派手に登場した瞬間、「誰…?ムラジュンさんか!!きた―――!!!」と思いました。
まさにその通りの役です(笑)
ヒールを演らせたら、彼の右に出る者は居ないでしょう…

撮影は近藤龍人さん。またお会いしましたね^^

監督は入江悠監督。なるほど…!
「ギャングース」がめちゃめちゃ面白かったんですが、なるほど。
全然方向性は違いますが、社会派っぽい感じは似てると思います。

最後が胸熱すぎた…
舞台を映像化すると、どうしても悪い所と良い所が出てくると思うのですが、本作の場合、SFなのでややリアリティが薄くなってしまう(逆に現実味が濃くなってしまうのでストーリーにマッチしなくなる。観客の想像の余白が無くなる)のが難点かな…?夜の無機質な感じはいいんだけど、昼の太陽がちょっと胡散臭くなってしまうというか。(舞台の時は恐らく、というか、室内だから見えない)
でも、ラストは土地の広大さが希望に満ちていて、とてもいい感じでした。

ちなみに本作はアミューズ製作なので、まさに!神木くんの為の映画ですが、森山中教習所を観た時のように、脇が立ってる(というか個人的に忘れられなくなる)映画だなと思った。(古川くんはアミューズではないが…森山中の賀来くんはアミューズだった)
世間の評価はちょっとわからないけど、こういう、アミューズの癖のある作品は嫌いじゃないです。
daruma

daruma