Haruna

ヴィクトリアのHarunaのレビュー・感想・評価

ヴィクトリア(2015年製作の映画)
3.5
「バードマン」振りのワンショット長回しの作品です。
長回しだと場面の切り替えがない分
視聴者が映画の中により入り込める気がします。
深夜から早朝の撮影なのも長回しだからでしょう。
アドリブなどが多いそうで
ストーリー的にも制作的にも常に緊張感のある映画だった。

主人公と全く同じ時の流れを体感出来るので瞬く間に主人公の置かれている状況が変わるのを共に体験し、さらに主人公たちの言動がとてもリアルで演技ぽさを感じなかったのでとても生々しかった。
主人公の2時間を切り取った映画。

自分の置かれている心理状況によって
環境なんてあっという間に変わるし
この世の中で起こる犯罪なんて
意外と単純な動機やきっかけで起きるんだな、とちょっと恐ろしくなった。

主人公のヴィクトリアが髪を結ぶシーンが何度かあるけど癖なのかただ邪魔だから結ぶのか…
わたしは何か意味があるような気がしました。
気持ちの切り替えをする時に結び直したり
髪を下ろしてる時は気が抜けてる時、リラックスしてる時なのか、とか。

一緒に観てた人はヴィクトリアの爪を噛むのはパニックになってる時だ、と言っていたし。

もしこれが演技なら(ま、映画だから演技なんだろうけど…)
相当な役作りだと思うしとても素晴らしい俳優さんたちだな、と素人目線でも感じた。

何でもないシーンかもしれないけど
主人公ヴィクトリアがホテルのトイレでキリッと鏡を見るシーンは
自分に言い聞かせ、気合を入れてるシーンであり
これは普段でもよく自分がやってる事で印象的でした。
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