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怪物はささやくのumetaのネタバレレビュー・内容・結末

怪物はささやく(2016年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

映画館で見逃したのが配信されていたので視聴。

あんまり前情報ない状態で、画面の作り方とか色とか雰囲気で気になってたけど、やはりとても良かった…

辛い境遇にある少年がイマジナリーの話し相手である怪物と話すことで
徐々に現実世界の事を受け入れていくお話。怪物の語ることが物語を通して、というのが面白かった。
その物語の世界の水彩画の表現がほんとうにきれいで、惹き込まれた。

母親がベッドサイドでするお話よりも、もう少し現実世界に寄った物語を通して
人も境遇も多面的で、善悪では分けられない、シンプルではないことを説いてくる。

最後は誰にも話せずにいた、母親の闘病に疲れ果てた本心と、それを責め続ける自身のことを認めて、母親や祖母と、本当の心でハグ出来ていたように見えた。
大切なのは何を想うかよりも何をするか。
不器用な祖母と孫の二人の生活は、不器用に衝突しながらも進んでいく未来も見えた。

いじめっ子だと思ってた少年がボコボコにされたのは正に八つ当たりだったから、少し気の毒だな…笑 誰かに罰してほしかったコナー少年の方から殴られるように仕向けたぽいし。

最後にめくった母親が遺した手書きの絵本で、あれ、怪物は母親の代からの…?と思わせてくれるところもよかった。病室でも目があってたしね。
母親にも怪物の物語を聞いた時期があり、もしかしたらコナー少年の息子にも感性が受け継がれて、その子が悩み苦しむことがあったら、また怪物はささやくのかもしれない。
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