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日日是好日のumetaのネタバレレビュー・内容・結末

日日是好日(2018年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

心を癒したい期間継続中で、かもめ食堂と同じ流れで
穏やかな物語が見たくて視聴。

こちらもとってもよかった。
かもめ食堂も日日是好日も、ずっとウォッチリストに入れていたけど
どちらもいいタイミングで触れることができた。

ヒューマンドラマではあるんだけど、けっこう茶道に本格的に
入り込んでいく内容で興味深かった。
茶道もやはり「道」なので、まずは作法と動きを作って、所作が身についてから心を入れていくんだな。
動きが完ぺきなだけではだめで、精神面も研ぎ澄ましていかなきゃいけない。学生時に弓道をやっていたので、少しなつかしく感じた。

きききりんさんの演じる先生の所作と作り出す空気が美しく、
主人公が茶道に心を寄せていくのには共感した。

知識を得ることは、世界の解像度を上げると言ったのは誰だったか。
知ることで、見える世界は変わる。
茶道も同じようなものに感じた。知識を得るというよりは、感覚を研ぎ澄ますことで、言葉の受け取り方が変わる。季節に咲く花の見え方も、雨粒ひとつの音ですら。
瞑想に近いような、その感覚を、とても美しく映像にしてくれていたように感じた。

大量の情報を受け取り、日々せわしなくやるべきこと、やりたいことに追われる毎日を送っている日常の中、
ゆっくり、ていねいに、自分の感覚に集中することは、相当意識しないと難しい。
一人になる時間を得やすい今こそ、今自分が受け取っている諸々について、じっくりと集中して、受け取ってみるのもよいかもしれない。

日日是好日。同じように見えても、同じ日はない。その瞬間はその瞬間だけのもので、とても特別で、大事にすべき時間。
またきっと騒々しい毎日に埋もれていってしまうけど、たまには思い出せますように。
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