がんちゃん

ワンダーウーマンのがんちゃんのレビュー・感想・評価

ワンダーウーマン(2017年製作の映画)
3.5
75年前に生まれたご長寿ヒーローが遂に初実写映画化。なんか興行成績すごいらしい。
『バットマンvsスーパーマン』を本作の為の壮大な予告編にしてしまったほどの圧倒的魅力はそのままに、あわや打ち切り寸前のDCEUに降臨した女神。
根暗なマッチョ2人はもうすこしがんばりましょう。

■■歴代No.1女性ヒーロー■■
女性ヒーローといっても『G.Iジェーン』のように丸刈りして「Suck my d**k!」とか叫ぶ訳でもないし、『バイオハザード』のような戦闘マシーンみたいなのとも違う。『チャーリーズエンジェル』みたくおバカでエロいのは論外。女性が憧れるヒーローって今までいなかったかも。これまで如何に映画が男目線で作られてきたかがわかる。女性「らしい」とか言うとこれまた語弊を生むが、寧ろ男や女を感じさせないキャラ造形は男女問わず票が入るポイント。コメディ要素もあるし、ちゃんと人助けもしてますよ!

■■第一次世界大戦が舞台である理由■■
文字通り人類史上初の世界大戦である。半年で終わるはずが塹壕戦によって泥沼と化し、機銃や毒ガスなど近代兵器の導入によって大量の死傷者を出し、いつしか「戦争を終わらせる為の戦争」と揶揄されたほどのカオスな時代が舞台。
世間知らずなダイアナの戦う動機は「人間がこんな酷いことをする筈がない、影で操っている絶対悪さえ倒せば戦争は終わるはず」という理屈である。勿論そう単純ではないので現実を知り、それでも諦めちゃダメだよということで成長していく訳であるが、そこに善悪の境が曖昧なWWⅠという舞台設定が上手く機能している。
「イスラエル出身の女優がナチスと戦う構図は“復讐の女神降臨”っぽくてシャレにならないからじゃね?」という意見もあるが、いずれにせよよく考えられている。

■■終盤戦の考察■■
ただ、唐突に現れるヴィランとのドラゴンボール的ドッカンバトルにドン引きしてしまう可能性は高い。
もろにゼウスとか出されるとちょっとどうでもよくなってしまうが、実はこれ、神話ではなく寓話的に捉えるとヴィラン=ダイアナのダークサイドという見方ができる。絶望や怒りに任せて闇堕ちするか、愛の力で真のヒーローになるか、というまんまスターウォーズの例のやつではないか。これはわれわれ人間の心の戦いなのだ。
ここでいう愛とは赦しである。バットマンもスーパーマンを赦した。母ちゃんの名前が一緒だったから(笑)。ゾッド将軍を殺っちまったスーパーマンは贖罪のため一回休み。これがDCEUの神話スタイル。なるほどそういうことね。

■■主演俳優の魅力■■
トレバー大尉演じるクリス・パインもなかなか良かった。チャラめのイケメンかと思わせつつ、信念を持った人物としてダイアナの成長に大きく貢献できた感がある。スパイのくせに冒頭から大戦果あげるよね。

ガル・ガドットの完璧さについては言うことなし。ノーマンズランドに降臨するウーマンにマジ感涙。脇フェチ的にもオールOK。
続編はビキニアーマーでおなしゃーす。っていう男目線。
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