たま

リリーのすべてのたまのレビュー・感想・評価

リリーのすべて(2015年製作の映画)
4.0
アイナーが眠っていたリリーを呼び起こした過程を丁寧に描いていて、エディ・レッドメインの繊細な演技に吸い込まれるように見た。それでもリリーの気持ちは私には理解できない。
なぜアイナの肉体を忌み嫌うようにすぐにでも抹消したかったのか、医者や妻の忠告に従いしぱらく待てなかったのか。わからないのは当たり前なのかもしれない。
妻にとっては完璧だった夫婦の関係が一気に崩壊してしまった事に戸惑いを隠せない。目の前に夫はいる筈なのに。自分の存在は何だったのか…傷つき悲しむ。私なら憎しみさえ感じ出ていくだろう。
なのにゲルダはリリーを支える道を選んだ。なんという懐の深さなんだろう。アリシア・ヴィキャンデルも素晴らしかった。
私の好きな俳優マティアス・スーナールツがアイナーの幼なじみ役で出ていたが、存在が少し中途半端に思えた所だけが残念です。
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