試写会にて観了。
得難いキャスティングと素晴らしいロケーションで構築される、思うようにならない人生の皮肉と宿命。
デレク・シアンフランス監督の棘は、相変わらずチクチク痛いのですが、本作の底に常にあるのは弛まない愛情なので、幾重にも灯され最後に示される光の意味がズシリと沁みます。
マイケル・ファスベンダーとアリシア・ヴィキャンデルのカップルが渾身の演技を魅せ、レイチェル・ワイズが後半のみの出番ながら美味しい所をしっかりさらっていく妙。
登場人物たちの背景を思い返し行間を埋めると人生の濃い縮図がジワジワ浮き上がってくる鑑賞後の余韻の半端なさもまた本作の味です。