スライ・ストーンって誰やねん？状態でも十分楽しめる、作り手のこだわり感じるドキュメンタリー。
※ちなみに私はスライのことをこれっっっぽちも知らない輩です。
とてもサクサク、それでいて丁寧に撮影期間11年の歳月を魅せている。
今どこで何をしているのかを知りたくて「あの人は今」を撮りたかっただけのに、徐々に貪欲になっていく監督はスライにインタビューさせてくれと猛アタックを続ける。
気付いた頃にはスライ本人もこの映画に巻き込まれていく姿か見所だ。
映画の目的が「発見」することから「観察」することに変わり、最終的に本人の口から「告白」させるところまで持って行けたのはやはり撮影クルーの粘り勝ちだろう。
時間に粘った作品には深みが出ると思う。
時間が経つことでしか写せない人間関係や環境の変化があり、それを捉えることこそドキュメンタリーの醍醐味ではないか。
台本の存在しない現実で、台本に無いことが起こるまで辛抱強くカメラを回し続けた根性を感じた。
膨大な量の映像の中から欲しいものを選び、繋ぎあわせる才能も素晴らしいと思った。
芋づる式でスライの情報がどんどん引っ張り出されていくので、まるで教科書の様だった。
最後に、芸能人はファンを大切にすべきだね...！
世の中いつ誰が自分を救ってくれるなんて分からないもんだなあ、と思いました。
