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ホワイト・マテリアルのTenKasSのレビュー・感想・評価

ホワイト・マテリアル(2009年製作の映画)
5.0
銃持ってはしゃいでる子たち本当に怖い。槍と鉈持って白人の物を盗み、人を殺して何かわからない薬をラムネ菓子みたいに食べる。全部の行動が抵抗としての大義名分を持つのか、それ故の歯止めのかからなさがスクリーンを超えて恐ろしく見えた。
時系列が全然わからないぞ??と思って観てると後半サラッと分かるようになる。殊更強調しないのが良かった。
他人の運転する車に乗ってる時に過去を回想するのは『ショコラ』を踏まえてなんだろうね。どことなくショコラですっ飛ばした部分の映画という感じもする。ショコラ同様にいつも気持ちよさそうな風が吹いているが、映るものの印象は真逆。クレール・ドゥニの出自を聞くとあくまで時代の移り変わりを受け入れられない白人女性目線であるというのはかなり理性的に映った。イザベル・ユペールはもはや何も持ってないのに土地に執着して二時間這いずり回っていた。
黄色い犬はなにを表しているのだろう。
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