Punisher田中

ヒメアノ〜ルのPunisher田中のレビュー・感想・評価

ヒメアノ〜ル(2016年製作の映画)
3.8
何をやっても長続きせず、うだつの上がらない日々に危機を少しずつ覚え始めた岡田は、ちょっと変わった同僚の安藤の恋の相談を受けるのだった...

うげぇ...気持ち悪.......面白ェ!!と唸ってしまうこと間違いなしな極限サスペンス邦画に仕上がっていた今作、マジで面白ェしか出てこない。これは凄いわ。
甘ったる過ぎて反吐が出そうな恋愛パートと殺しに殺しを重ねていく殺人パートのコントラストがあまりにも高過ぎて頭を抱えてしまう。
しかし、このコントラストの高さこそが今作の特徴であり、誰かが幸せな時、誰かが必ずワリを喰っている。同じ時間軸に両極端な事象に遭う人間が映し出される理不尽さとねっとりまとわりつくリアリティ。
生きる世界がどれだけの狂気に覗かれているか再確認させられる恐怖。

「俺は何を見せられているんだ...?」というのは終始一貫してそうなんだけども、終盤のあまりにも急すぎるラストには哀愁すらも感じて思わず涙が出てしまった。
鑑賞後は残忍な殺人、暴力を日々繰り返す森田というキャラクターにひたすら思いを巡らせてしまう構成が上手いし、この余韻こそが1番今作の良い所。
ただ、個人的には変なキャラクターが中途半端に登場する所が微妙に感じられ、もっと変なキャラクターが多いとより世界に入りこめたなと感じた。
是非1人で見て1人でモヤモヤして欲しい、そんな作品。