みかん

二ツ星の料理人のみかんのレビュー・感想・評価

二ツ星の料理人(2015年製作の映画)
3.5
何もかもを失ったどん底スゴ腕シェフが、かつての優秀な同僚たちに拒否されながらも、ミシュランの三ツ星レストランという夢を目指して仲間を集め、再起を図っていくグルメヒューマンドラマ。

ほっこりお料理ムービー系かと思ってたので、心の準備出来てなくて序盤はちょっと動揺してしまいました^^;

ちょうど今放送中のTBSドラマ『グランメゾン東京』が脳裏に横切るような設定ですが、こちらの主人公アダムは完璧主義でストイック。とりあえずイライラすると料理がお皿ごと飛ぶし、怒号や罵声がとんで緊迫感にハラハラしました。

かつての人脈を駆使して、料理人だけでなく給仕長、レストラン批評家から自分に憧れる屋台の若者までどんどん巻き込んでいく行動力と頭のキレ、確かな料理の腕は観ていて圧倒されました。

そんなワケありなメンバーから、正論で罵られたり失望を告げられたり、色々スリリングな展開が繰り広げられていく様は、三ツ星獲得という真っ直ぐな夢や信念であるはずが、どこか歪な危うさを感じます。

終盤、そもそも、三ツ星になったらどうしたいのか?最高の栄誉を受けて賞賛されて、自分はどうなりたいのか?
と、よくよく考えて、本当に大切なことが見えてきてよかったです。

強いから人に頼れる。弱いからじゃない。

個人的には、"刹那的に生きるのは若者まで、中年になったら惨めだぞ"という忠告は、何だかこれから中年になっていく上でふと考えさせられてしまいました。

とりあえず、美味しそうな料理の数々には、お腹が空いてきてしまうので注意ですw


★料理人としては最高だが、人格は欠点だらけの主人公アダム。あるトラブルから逃げ出し、死んだと噂されて3年。もう一度、料理人として再起をはかるため、ロンドン美食界の友人トニーのレストランに乗り込みスタッフを集めていくが、ブランクの間に調理方法からレストランの内装まで、料理界のトレンドは劇的に変わっていて、、。
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