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ジュディ 虹の彼方にのみかんのレビュー・感想・評価

ジュディ 虹の彼方に(2019年製作の映画)
3.8
1939年「オズの魔法使い」で17歳でブレイクし、その後ハリウッドを代表するトップスターとして頂点を極めたジュディ。しかし一方で、子役時代から受けていた映画スタジオによる薬物コントロールが原因で神経衰弱に陥る。1969年47歳で急逝した最後のコンサートを綴った実話に基づく伝記ドラマ。

心身衰弱でギリギリの状態で何とか自分を保って、子どもたちと暮らすという唯一の希望のため必死で舞台に立つ姿に胸を打たれました。

元々繊細さや純粋な愛情、ユーモアを持ち合わせた素敵な女性なのでしょうが、辛い過去の影響から不安定で観ていてハラハラしました。

一見情緒不安定で行動も突拍子が無く、とても仕事を頼める相手ではないけど、実力はホンモノ。

数々の失敗や批判もある中、観客と向き合って歌い上げる勇気には脱帽で、これぞプロでありスターなんだ、と圧倒されました。

時折入る子役時代の回想は切なかったです。

まだ子どもなのに18時間の長時間労働、食事制限、ダイエット薬として渡されていた覚醒剤に洗脳する言葉の数々。

大人たちにとっては、莫大な富を生み出す"商品"に過ぎなかったのかと思うと、愛情を求めて迷走してしまうのも無理はないと感じました。

ラスト、観客とは確かに愛情で繋がっていたことがわかって感涙でした。

それにしても、レネー・ゼルヴィガーの熱演と熱唱、素晴らしかったです!「シカゴ」の小悪魔なロキシーの歌もキュートだったけど、年齢を重ねて熟達した歌声もエレガントで大変かっこよかったです。


★1939年の映画「オズの魔法使い」主人公ドロシー役を演じたジュディは、17歳にして一躍スターダムを駆け上がり、その後も数々のヒット作に出演。ハリウッド史を代表するミュージカル女優となる。

しかし、映画スタジオからの体型維持のための食事制限、長時間労働、クスリ、ハラスメントなどで不眠症や不安神経症を患い、自殺未遂や入退院を繰り返し、仕事も生活も不安定に陥っていた。

1968年冬。借金漬けで家も無い中、子どもたちとの生活費を稼ぐため、彼女は起死回生をかけてロンドンのステージに立つが、、。
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