昭和64年に起きた少女誘拐事件 通称ロクヨン。時効があと1年に迫った中、ロクヨンに模倣した誘拐事件が発生する。広報官の三上義信は報道協定を結ぼうとするが、中々詳細が明らかにならないことに記者たちは不満をあらわにする。一方、誘拐されたという女子高生の父 目崎正人は犯人の指示を受けて、車を走らせていく。
後編は、ロクヨンの模倣事件からスタート。せっかく前編の最後でバシッとキメた三上ですが、またまた詳細が全然明らかにならずに、東京の記者たちにボロカスに言われちゃいます。このあたりは観てて苦しかったですね。柄本佑がどんどん顔色悪くなってくるのはちょっとやり過ぎだろって思っちゃったけど(笑)。
そこからどんどんロクヨン模倣事件の詳細が明らかになっていき、ロクヨンとの繋がりも解明されていきます。前編にあまりミステリー色を感じられなかったので、後編のどんどん真実が明らかになっていく様は、見入っちゃいました。
そしてロクヨンの衝撃の事実が明らかになり、その後に三上がとった行動。これはやはり、三上義信としては考えにくい行動ですね。後半は原作からの改変が色々あったみたいです。そんなところに尺を割いたもんだから、模倣事件を起こした人間たちの話とか、ロクヨンが起きた背景とか、そっちにももうちょい時間使ってほしかったな という思いもあります。
キャスト陣がめちゃくちゃ豪華なのが、今作の魅力のひとつ かと思いますが、個人的には永瀬正敏が一番よかったかな。役作りのために大幅な減量も行った ということで、悲壮感がハンパなかったです。模倣事件の被害者父を演じた緒形直人も中々よかった。彼の事が色々明らかになったあとの顔つきの変わり方がちょっと恐ろしさを感じました。もちろん主人公の佐藤浩市をはじめとする他の面々も素晴らしかったです。あんまり出番なくてもったいない人もけっこういましたね。
前後編通して、骨太なミステリーを期待すると、ちょっと肩透かしを喰らうかもしれません。でも、ミステリーとぶつかり合いなどの人間ドラマ、ちょうどいい具合のバランスがとれていて、非常に重厚な作品であったと思います。
