ひろゆき

64 ロクヨン 後編のひろゆきのレビュー・感想・評価

64 ロクヨン 後編(2016年製作の映画)
3.2
銀幕短評 (#32)
「64(ロクヨン)後編」

2016年、日本。1時間59分、公開中。
総合評価 64点(結果、前編後編とも タイトルどおり)。

(以下、前編コメントの再掲のあと、後編をコメントします。)

前編(再掲) :

前評判高き大作。7日間しかなかった昭和64年に起きた身代金誘拐事件を始まりに物語は進む。

よい点 : 犯罪ドラマばかりに偏向していないこと。登場人物それぞれの苦悩や葛藤をドラマの中心に据えていること。プラス10点。

よくない点 : 主演の佐藤浩一はともかく、周りの配役に凝りに凝りすぎたこと。(邦画としては)キラ星のような脇固めであり、結果として 役回りで誰かどの人よりエライのか分からなくなるし、他作のイメージとかぶるし、若手イケメンの抜擢起用にいたっては、テレビCMにスリップしたような違和感を覚える。映画は、やたらと有名俳優をたくさん据えればいいというものではなく、バランスが大事である。マイナス20点。

いずれにせよ、すべての問題の解決と決着は すぐ公開される後編に委ねられてしまったので、ここ一番の盛り上がりと大風呂敷の締めくくりを楽しみに待つとしよう。

__________

後編 :

まったくスベっている、ダメダメぐずぐずの映画である。fxxk、sxxt、dxxnである。容赦なく 前段で3回熟睡する。

最悪なのは、例の警察と報道陣との怒号中心の不毛なやりとりの長回しである。主人公が警察の報道官になっているからといって、ただ単にその尺を長くすればいいというわけではない。

組織力学やリーダー論にしたって、手アカにまみれた主張であり、目新しいテーマではまったくない。すでに前編でカバーしつくされている。

唯一の見どころは、主人公(佐藤浩一)と副主人公Xとの対決パートである。「レヴェナント」のようにワクワクする。カメラワークもいい。固唾を呑む。

このふたりを除くと、他の豪華俳優陣の芝居はまったくかすんでおり、顔触れだけは一軍でも、個人プレイ・連携プレイは三軍チームである。彼らの前編での精彩はいったいどこに失せたのか?

全体として、前編に比ぶべくもない駄作であるが、
• 謎解きのメイン プロット自体は良いこと、
• 主演2人の、特にXの演技が際立ってうまいこと、
• 榮倉奈々が相変わらずかわいいこと、ん?
• 作品タイトルになんとしても一致させる必要があること、そうそう、
などを勘案して+20点の高ゲタを履かせ、総合64点とする。

ただし、これは異例の執行猶予であるから、被告は事実を重く受け止めて自責し、更正を深く追求することが大きく期待されている。閉廷!
ひろゆき

ひろゆき