ナミ

ラ・ラ・ランドのナミのレビュー・感想・評価

ラ・ラ・ランド(2016年製作の映画)
4.2
ミュージカルって苦手とまではいかないんだけど、一抹のこっ恥ずかしさを感じたり、なぜ突然歌い出すねん的なツッコミが心の奥底で発生してしまったりするんですが、そんな私でもこれは全然大丈夫でした。
歌唱シーンがいい意味であまり朗々としてないというか大仰さがなくて、話すように歌っているというか、普通のシーンと地続きになっている感じだったのがよかったのかも。そしてそれが却ってよりエモーショナルに感じたり。
がっつりミュージカル好きな人はどう思うかわからんけど、私は好きだったな~。

そしてベタベタに甘口なのを勝手に想像していたもんであのドリーミーで切ないラストはだいぶ意表をつかれたし刺さるものがありました。
私はタラレバのこととかもしもあのとき的なことを考えるのは生産性のない愚かな行為だと思っているところがあって、時にそういうことを考えてしまう自分を恥じたり諌めたりしながら生きてきたのだけど、なんかあのラストシーンで「そういうのもいいんじゃね」って気持ちになったというか。
可能性があったことや希望を持っていたことは事実だし、結果としてそれは現実にならなかったけれど、現実にならなかったからこそその時間の輝きは永遠に色褪せないのだろうし、そういう過去を(振り返るではなく)大事にしながら生きていくのはそんなに悪いことではないんじゃないか、っていう。

あとやっぱりとにかく音楽が素晴らしかった~~憂いすぎ琴線触れまくり心揺さぶられまくり、ミュージカル慣れしてない私でもがっつり引き込んでもらえたのは演出ももちろんだろうけど単純に曲がめちゃくちゃよかったってのも大いにあったな~~
ナミ

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