ナミ

ベイビー・ブローカーのナミのレビュー・感想・評価

ベイビー・ブローカー(2022年製作の映画)
3.6
『万引き家族』に続き家族の概念を問う是枝作品。『パラサイト』にも色々と通じるところがある(ソン・ガンホいるし、しかも役柄もなんとなく似てるし)。

赤ちゃんポストは元々個人的に関心があるトピックで、その存在の是非やそこに子を託す親の背景や葛藤がどう描かれているのかがこの作品への期待ポイントの一つだったのだけど、結論から言うとそこはあまり掘り下げられる感じではなくてちょっと肩透かしをくらったところがある。
ソヨンが赤ちゃんポストに子を預けた(劇中の言葉を借りると「捨てた」)経緯があまりに特殊で、実際にそこに子を託さざるを得なかった数多の現実の女性たちとリンクしなかったのも大きい。
そこにドラマティックな展開乗せなくていいからもっとリアリティのある母親像を描いてほしかったな。。

登場人物が思いの外そこそこ多くて、人物像の掘り下げが中途半端になってしまっていたのも消化不良感の一因かも。
あと赤ちゃんが旅の道中で終始お飾りというか付属物的な扱いをされている感じがしてなんともいえない気分に…むしろ一番尊重されていてほしい存在なのに🥲

役者は皆とってもよかった!
ソン・ガンホは言うまでもなく素晴らしいし、IUちゃんは超可愛いアイドルというイメージしかなかったのだけどやさぐれた母親を好演。そしてカン・ドンウォンの繊細な演技がすごくよかった!個人的に彼がMVP。
ナミ

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