りょう

ブラフマンのりょうのレビュー・感想・評価

ブラフマン(2015年製作の映画)
3.8
たまたまアマプラのおすすめに出てきて、何の気無しに再生した作品。

AirJam世代ど真ん中だった自分にとっては高校生の時にとても影響受けた存在。
当時のメロコア、パンクシーンはやっぱり頂点にカリスマ的存在Hi-STANDARDがいて、brahmanはそのすぐそばに位置していた状態だった。
ボーカルToshi-Lowの圧倒的なパフォーマンス、民族音楽というか東洋的というか、そういったものとパンクが融合した唯一無二の存在。

brahmanの辿ってきた歴史、バンドを抜けて、別の道を歩んだ人や才能を持ちながらも命を絶ってしまった人、そういったエピソードを箭内道彦がひたすらインタビュー、密着している様子を、断片的に繋いでいく。

多くのバンドは新しい曲を作る時、大抵誰か1人が大まかな曲のコンセプト、流れなどを決めてそれに他のメンバーが合わせて行く感じになり、逆にそうしないとなかなかゴールに辿り着かないあるいは時間がかかり過ぎる。ただ、brahmanは、その時間がかかりすぎる方法で、曲を作っていく。

今回はギターのKOHKIが、何気なく弾いたイントロリフと、そのイントロとAメロが同じリフのまま続いていく感じでやってみたいというところから、それぞれがああでもないこうでもないと試行錯誤を繰り返して少しずつ少しずつ紡ぎあげられていく。

映画の構成自体と、その曲作りの様を重ね合わせ、そしてその語られるエピソードが元になって曲が作られていき、最後に「其限」が歌詞とともに流れる。

自分自身brahmanから長い間離れていたけど、バンド自体もToshi-Lowのイメージもかなり変わった。自分が持っていたイメージはとにかくストイック、とっつきにくくてあんまり話さないみたいな感じで思っていたけど。それはAirJam 2000とかの時代の話だしね。さらにこの映画自体も2015年だから今はまた違うのかな。なんかとにかく人間らしいというか、強いところも弱いところも、かっこいいところもそうでないところも表現するしていく姿が印象的だった。

若い頃は年取ってみないと分かんないよって大人に言われることがすごいいやだったけど、やっぱり年取ってみないと分かんないよね、って話をしてたところが心に残ったな。
りょう

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