たま

LION ライオン 25年目のただいまのたまのレビュー・感想・評価

4.5
人生にはいくつかの分岐点があるけど、サルーの場合は幼くして迷子になり家に帰ることが出来なくなったこと、孤児となりオーストラリアの夫婦の養子になったこと、そして何不自由ない暮らしと教育を受けながら幼い頃目にしたインドの揚げ菓子を見た瞬間だっただろう。
突然自分のアイデンティティを呼び覚まされたのか。
家族に会いたいその一心で、何年もかけて遠く離れた場所から記憶を頼りに探しだす。現代ではこんな形で自分のルーツを見つけられるのか…と驚く。
今でも世界の子供を取り巻く環境は課題ばかり。貧困や労働や人身売買など。
ただ憂慮しているだけで、何も出来ないと決めつけていたけど、養子に迎えるという選択をしたオーストラリアの父母の懐が深すぎる。
サルーは実母を探すことは養母を裏切ることのように感じたようだけど、養母の愛はそれ以上のものだったし、インドの母も諦めずに息子を待ち続けた。
だからラストの実際の3人の再開のシーンはただただ号泣。

何となく疑問だったタイトルのLIONの意味が最後に分かった。
そして、子役が可愛すぎた。
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