次男

犬どろぼう完全計画の次男のレビュー・感想・評価

犬どろぼう完全計画(2014年製作の映画)
4.3
観始めてから半ばくらいまで「韓国版ミシェルゴンドリーだ!」とはしゃぎ、終盤のドタバタは「E.Tだ!」「ホームアローンだ!」と盛り上がり、最後はきっちり、韓国ドラマ的にドラマチック、笑いながらベロ泣きさせられて、リトルミスサンシャイン的な、とっても清々しい後味。良い映画だった…。

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家がなくなり、車の中で暮らす三人家族。長女は、きたる自分の誕生日にどうしてもホームパーティを開きたくて、こんな車生活を抜け出すためになんとかお金を手に入れようとする。
そんなとき目に入ったのは、「犬探してます」のチラシ。そこには報奨金の文字も!しかし、残念ながらその犬はすでに発見されていた。どうしても、どうしても憧れの家を手に入れたい少女。犬どろぼう完全計画が動き出す…!

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少女目線で作られた映画なのに、それがまったく枷になってないのがすごい。
ライトに伝えてるけど、実際かなり悲壮感ある状況だし、まかり間違えたら暗く沈んじゃいそう。それをそうさせなかったのが「少女目線」で、でもだからといって本質は損なってない。
あくまで少女の目線を守りながら、しっかり大人でも通用するドラマを描き切ってて、いやー韓国映画よ、改めてすごい。(「円卓」はこうあるべきだったと思う)


・書き込まれるノートや「犬どろぼう完全計画」それ自体はもちろんのこと、合間に描かれる学校のシーン、英語や理科や体育、毎回授業が違って目に楽しい!

・戦友の友達は、ウザそうで結果ナイスキャラ、弟の描き方も魅力的。煽りのアングルを効果的に使うことで、子供視点を的確に演出してるのもさすがだなあ…。

・目当てだったカン・ヘジョンさん。彼女の演じたお母さんがまた素敵で、可愛いのはもちろんだけど、きちんと背負ったものを感じさせる。江國香織「神様のボート」の葉子さんのようなひとだった。

・キーパーソンの浮浪者さん。ずっと素敵だったけど、「きっと娘さんは会いたくて仕方ないと思ってると思う」と言われたのリアクションのお芝居な!!素晴らしすぎて巻き戻してもっかい観た。あんな表情…!

好きなところしか出てこないやんか!
でもなんか、「愛しい」映画だった。いとしい…

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ただ、「犬どろぼう」されるジャックラッセル・ウォーリーくん、とても可愛かったけれど、ジャックラッセル対決でいえば「Beginners」のアーサーの勝ちだなあ。
そこだけはごめん。
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