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ピートと秘密の友達のRenのレビュー・感想・評価

ピートと秘密の友達(2016年製作の映画)
2.5
『ピートとドラゴン』のリメイクというよりかは、『ターザン』とか『美女と野獣』みたいだなと思いながら観ていました。すっきりはしているけど、ちょっと薄いかな〜とも。

少年と未知の生物の絆を描く物語を敢えてやるなら、もっともっとギュッと褌を締めてかかって欲しかったというのが正直なところ....。遡れば『E.T.』だってあるし『ヒックとドラゴン』だってあるわけで、新規性を感じられた部分はエリオットのキャラデザくらい?

舞台が港町から森へ変更された点は、ピートの生い立ちや2人の隠居感がかっちり強調されており良かったと思います。⇔一方でそれが既視感に繋がっている部分も多かったですが。
エリオットがCGになっていた点も、毛並みのふわふわ感・翼の大きさの変更でリアルさと納得感が増していました。⇔一方で、エリオットの表情の豊かさや愛嬌はアニメ版に軍配。
改変ポイントが一長一短で、これは誰が悪いというよりも元々『Pete’s Dragon』がいかに絶妙なバランスの物語かという話なのだと思います。
なのでオリジナルのほうが面白い!とは絶対に言えないし、両方観てみてどう思う?と意見が聞きたくなるような作品です。

2人が別々に暮らす中盤で、ピートがエリオットに会いに行けない点で彼らを繋ぎ止めるものがどれほど強化なのか分かりづらくなっている....ことを解決するために、物語をあのプロローグから始めたのかな。

「逃してほしい、僕ら二度と誰にも会わないから。」
自分の理解の外側の存在に遭遇したとき、少しでも偏見を抱かず傲慢にもならない人間はいない。現在公開中の『流浪の月』にも通底するテーマ。
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