st

二重生活のstのレビュー・感想・評価

二重生活(2016年製作の映画)
-
「哲学的尾行」により他人の私生活に自らを置きトレースすることで「実存」とは何かという考察を試みる大学院生。前半〜中盤にかけて、教授との問答や自己分析の浅さなど意図的に幼く描写されていたところ、一連の「尾行」を通じて、精神的自立(新居での一人暮らしという文字通り「一人立ち」する様や、渋谷の人混みの中を高々と闊歩する様など)を果たして行く過程が描かれる。とりわけ、主要人物の立場の変遷を定点で捉え続ける「監視カメラ」や、ホテルの外の「男」の視点など、示唆的なカメラカットも散見され、演出としても興味深かった。
st

st