KnightsofOdessa

たかが世界の終わりのKnightsofOdessaのレビュー・感想・評価

たかが世界の終わり(2016年製作の映画)
1.5
[] 30点

2016年カンヌ映画祭コンペ部門選出作品。グザヴィエ・ドラン長編六作目。12年ぶりに帰省したという主人公が、ついさっきまで一緒に生活してたくらいの温度感で家族喧嘩に巻き込まれる。玄関で出迎える挨拶ですら壊れた人形みたいに同じことを繰り返し喋っていて、しかもそれが12年間のブランクを感じさせるぎこちなさ由来のものではないあたり、だから12年間会ってなかったんだなあと思わせるだけの嫌悪感が伝わって良いのだが、以降もずっと顔のアップショットで中身の薄い怒鳴り合いというワンパターンなので流石に飽きてくる。主人公も途中で罵り合いから勝手に離脱して音が遠ざかったりするので、別に中身は聞かなくても良いのかなと思うと余計に見るものがヴァンサン・カッセルのキレ顔くらいしかなくなる。なんか、怒鳴り合いを撮ってたら芸術になるとでも思ってそうな感じが古臭いよな。これの派生形が伝説の虚無映画『ポルトガル、夏の終わり』なんだなと思うと感慨深いものがある。ちなみに、どっちもギャガ配給でした。
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