来夢

屍者の帝国の来夢のレビュー・感想・評価

屍者の帝国(2015年製作の映画)
3.6
伊藤計劃原作のアニメ化プロジェクト「ITOH PROJECT」3作のうちの一本。
といっても原作は伊藤計劃の没後、円城塔が引き継ぎ執筆。
手書きのアニメは絶滅危惧種に指定されそうなこのご時世としては良くできているよね(「虐殺器官」の公開延期が証明している通り)。ただこのアニメ、設定も話も面白いんだけれど、なんか胸に響いてこないんだよな。原作から色々調整してうまく2時間に纏められた感じはするし、オリジナルな要素も見られるんだけれど、なんか面白いアニメを作ろうってよりも、良くできたアニメを作ろうって感じがする(作り手がそう思って作ったとかではなくね)。プロジェクトに原作者名がついてるから、どうしても自分たちの作品にし切れなかった部分はあるのかな? あと展開が早くて細かい部分が分かりづらいよね。ストーリーを追うだけになってしまって、キャラの心情も理解はできるけれど、そこに感情的に浸る余裕が持てなかったかな。もう少し考えなくても自然について来るワクワク感が欲しかったところでした。
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