このレビューはネタバレを含みます
恋は盲目
2人を結ぶものは共通点
2人を結ぶものは共通点？
【あらすじ】
一定の期間単身者であるものは、とあるホテルに収容され、定められた期間内にパートナーを見つけることができなければ動物に変えられてしまう。妻に捨てられたことでこのホテルに収容された主人公。最初は動物になることも厭わなかった主人公であったが、、、
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ラストだけ、個人的にはラストだけは良かったと思った。
単身者が動物になるシステムもよく分からず、主人公がホテルでイカれ女に恋したのも(結局演技をしていたので、本音は動物になるのを逃れたかった、だろうが)、逃げ込んだ森の先で近視の女に恋したのも、色々なんかよく分からん不思議な映画だなって思ってたけど、ラストが良かった。
視力を奪われた、愛する女のために自らも目を潰したのか、はたまたやはりそこまでの行動に出られなかったのか、そこまで明確にしない終わり方は良かった。個人的にこういう受け手に解釈を委ねる終わり方はとても好き。
僕個人的には最後のあのカットは、結局自分の目を潰すことができず、かと言ってどの面下げてあの席に戻ることができるのだろうか、いやできるわけがない、という気持ちを抱えた主人公が見ていた景色だと思う。並大抵の人間では、愛する人が盲目になったから「はい、自分も目を潰します」なんて決断はできないだろうし、あの主人公にもきっとそんな気概はなかったと思う。
そうやって表現してしまうと、すごく主人公がダサい人間に見えるけど、何か強い意志を持つわけでもなく、なんとなく生きて、でもなんとなく死ぬのも嫌で、でも人にはよく見られたくて。そんな、僕含めた多くの人間のダサさを詰め込んだようなキャラクターがあの主人公だったから。
恋は盲目だけど、身の破滅の危機に瀕したときにハッと我に返る、自分を騙しきれなくなる、っていう終わり方なのかなと思った。
いやでも、そのまま本当に破滅しちゃう人もいるわけだから、あの主人公だと案外ズプリといってしまったのかもしれないな。
