竜平

シャザム!の竜平のレビュー・感想・評価

シャザム!(2019年製作の映画)
4.2
「DC・エクステンデッド・ユニバース」第7弾。突如としてスーパーマン顔負けのパワーを授かってしまう孤児「ビリー・バットソン」の成長と活躍を描く。

これまでの作品を見てなくても十分楽しめる内容。いやはやここにきてDCEU史上一番明るくて朗らかな作品が誕生したなと。全体としてはファミリー映画のような様相で、小さい子も楽しめるんじゃないかな。にしても今作はまた新しいタイプのヒーロー映画に仕上がってる気がする。変身の度に少年と大人の姿を行き来するという、単純そうでじつは旨味の多い設定に、これを存分に活かしつつの展開とコメディ要素が終始楽しい。少年たちのやり取りがまた無邪気で微笑ましくて、例えば自分たちの知るスーパーパワーをひとつひとつ試していくとか、そもそも「あれもできるはずだ」ってなってたりとか、恐らくアメコミ系のヒーロー映画がこんだけ溢れてる今の時代だからこそ成し得る流れはなんとも新鮮。ネット上に動画をアップしたり、それを介して世間に広まっちゃうあたりの現代的な世界観もいい感じ。なんと言ってもザッカリー・リーヴァイが変身後の「シャザム」の姿を好演してる。彼のおかげで映画全体にもある種のリアリティが生まれてると言っても過言ではない気がする。コミカルな表情と、たまにグッときてしまう仕草ね。DCEUお馴染みの「最強系バトル」も健在、これはまぁご愛嬌といったところ。

個人的に嬉しかったのが、『アクアマン』では薄かったDCEU全体の「ユニバース感」を今作ではちゃんと意識した造りになってるという点。他作品のキャラの存在やネタがちょいちょい見え隠れする感じ、それも本筋を邪魔しない程度に、いいあんばいで登場させてくる感じは、毎度上手くやってくるMCUのそれに匹敵する出来となってる、ってのは褒めすぎかな。何はともあれ今後も大いに楽しみ。いいぞいいぞ、見直したぞDCEU。次回作は『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY』。
竜平

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