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シャザム!のsomaddesignのレビュー・感想・評価

シャザム!(2019年製作の映画)
5.0
初めて見るヒーローなのに、何故だか全てが懐かしい。

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エンドゲーム到来と同じくして、予想より早く繁忙期に突入してしまいました。ただでさえチケット取りにくい状況なのに、一体いつ見に行けることやら(つД`)

予告編で80年代なB級ヒーローコメディかと思ってたら、概ねその通りでメチャメチャ楽しかった!や、それ以上に懐かしい気持ちになった!

序盤の、少年が突然特殊能力に目覚めて友達と一緒にキャッキャッしてる感じ既視感あって、一番最初に思い出したのが「超能力学園Z」だった。全体的なノリも80年代お色気コメディからOPPAIとパンチラを抜いて、少年の無邪気な好奇心や成長を軸にした感じ。
(ビリーの時とシャザム化した後で、人格が随分変わる気がする。はしゃいでるとはいえ、一気に知能指数が下がるっちゅーか、『オッサンの思うティーンのコドモ』を見てるみたいで同一の中身に見えない)

マイノリティだったり経済的・身体的コンプレックスがハッキリしてる分、スパイダーバースな物語の着地がよりエモかった。ただそうなると長年魔術師シャザムが探し求めてた事ってなんだったのかっていう謎も。誰でもいいんかい!って思わなくもない。
(転じて、貧しく恵まれない子供が純粋で清廉であるという幻想が嘘くさい。現実はむしろ逆に成らざるを得ないのに)


魔術師シャザムとの出会いから、各種球体の意味するものまでヒーローとヴィランが鏡像関係にあって、親との関係性含めて呪われてて可愛そう。
ヒーローとヴィランを分けるのは生まれか育ちかっていう命題に、「本人次第!」って身も蓋もない結論を見出した傑作でもあって、どう考えてもめっちゃ努力したサディウスなのに、彼が得た知力に対して、うっかり選ばれたビリーの腕力が勝っちゃう無双ぶり。大切なのは得る力の大きさじゃなく、その使い方・負う責任を自覚しないと意味がないって話でもあるような。

マーク・ストロングは「キック・アス」「グリーンランタン」に続く何度目かのアメコミ・ヴィランぷりの安定感。最近だと「キングスマン」の椅子キャラ:マーリンの好演もあって、すっかりいい人に思えてたけど、やっぱり極悪であってこそのマーク・ストロング。名前からしてコワモテ。

画面の端々に見覚えのある・聞き覚えのある要素が多くて、オッサンの琴線をビンビン刺激してくる感じ。(あと海馬)
中でもサディウスのパパはすっごい見覚えがあって、調べたらジョン・クローバーさん。「グレムリン2」のバカ社長!を筆頭に、映画より色んなTVシリーズでよく見たんだった!懐かしい!老けたなー!


原作が古いせいか、自分が見た回の大半がお年寄りだったのも面白かった。アメコミヒーロー映画でジーサンに混じって見るとは思ってなかったので新鮮!
新鮮だったけど、隣になった御老体がエアーガムを噛むタイプの方で、ずっとクチャクチャと無いはずのガムを噛んでて参った😩
遂には度々ガラケーのチェック、片尻を浮かせたガス攻撃を仕掛けた末、映画の中盤で帰ってしまわれた。もしかすると自分にしか見えない映画館の悪霊だったんじゃないかと思う。

調べる中で「シャザム」が元祖「キャプテン・マーベル」でもあることがわかって、図らずもエンドゲームの予習になっていたとか、いないとか。

37作目
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