小説『残穢』は去年読んだ本で最も怖く、手許に置いておくのも憚れるほど読み手の恐怖を煽る最恐の小説だが、この作品が映像化されるとあって、生粋のビビリである私もホラー映画では久々に足を運んだ。
原作者の小野不由美さん(めちゃくちゃ美人らしい…!)は映画化に際して「中村義洋監督だったらねー」と言ったそうだが、まさかの中村監督の手による映像化となった。
その中村監督は映画作品では『ゴールデンスランバー』『予告犯』などホラージャンルは苦手かと思いきや、『ホントにあった呪いのビデオ』シリーズでは構成、ナレーションも務めるなど実はこの手のジャンルの先駆者でもある。
随所に『ホントに〜』の彷彿とさせる演出がみられるが、怪異をドキュメント的に追う小説の魅力を余すことなく再現している。
演じるキャストも竹内結子はじめ実力派が揃う。特にホラー小説家平岡(原作では実在の作家 平山夢明)を演じる佐々木蔵之助の存在はそれ自体が一種のホラーなのではないかと思う。
いやー怖い。これは怖い。
ところで、ラスト付近で違和感を感じたのは私だけだろうか。特にビデオの映像のシーンでは…。