う●この神様
ワンピース、呪術廻戦、鬼滅の刃などここ数年のマンガ原作の劇場版アニメはどうにもハイコンテクスト化が進行していて、強烈なリピーターを生み出す一方、一見さんにはハードルが高くなっている。
ここへ来て本作『劇場版 SPY×FAMILY CODE:White』はそうした流れに逆行する「これだけ観ても楽しめる」作風に特化している。
冒頭に最低限の説明を置いて、あとは原作に影響しないよう配慮されている、と信じたい。何故なら私はマンガもアニメもほとんど知らないが、ほとんど混乱することなく楽しめたから。
極限まで間口を広くしようとした結果がう●この神様なのかは集英社および本作を作った会社の偉い人に問いただしたいところだが、覇権アニメの重圧を微塵も感じさせることなくのびのびと自由な映画をやっていて、純粋にとても面白かった。
本作、というかSPY×FAMILYの最大の魅力はアーニャという今世紀最強のコンテンツで、本作でも顔芸を披露してくれてお腹いっぱいになる。令和のドラえもんと呼んでも差し支えないと思う。
