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エンカウンターズ 侵略のしゃにむのレビュー・感想・評価

エンカウンターズ 侵略(2014年製作の映画)
1.3
「君らな、方向性を誤っとるで。本業を忘れたらあかんよ」(城島茂のアドバイス)

< 無知との遭遇 >
当方とのエンカウント率は0%…何故なら家から一歩も出ませんから。

・あらすじ↓
映画撮影班が撮影のために森の中へ行く。湖畔で撮影中、対岸にオレンジの光が現れ近寄った俳優が片方の靴を残して失踪。深夜に全裸で帰って来たが昏睡状態。これを機に不可解な出来事が頻発。クルーに瓜二つな何者かの影。ケータイから聞こえる雑音。一晩にして腐る食料。やがてクルー達はこの世の者ではない存在とエンカウント(遭遇)する。

・総評
きしめんを注文したらほうとうが出てきたような不条理な気分になります(半ギレ)

→SFモキュメンタリー
パッケージを見れば一目瞭然。YOUは何しに地球へ⁉︎(遭遇バラエティ番組)的SF映画かなと想像するのが当然。ジャケ借りで観たのですが普通の手法ではなくモキュメンタリー方式でした。登場人物がカメラを回して事件に遭遇する様をリアルに目撃させることで観客にリアリティを与えるアレ。ホラー映画のモキュメンタリーはRECを筆頭にごまんとありますがSFは珍しい。多少期待しました。

→いいや!限界だね 押すよ(早送り)
ありがちな話、この手の作品はエンカウントするまでは最高につまらない。意識の低いクルー達の撮影風景が延々と続きます。早送りボタンを押す(いいや!限界だね!押すよ)

→グレートですよ…こいつは…
パッケージの写真は本当でした。詐欺とは呼べない見事なメカニック。見上げれば目眩がするようなデカさのくも足マシン。B級なのに無茶しやがって…素晴らしい出来。リメイク版の宇宙戦争のあのマシンに見劣りしない存在感を放っていました。合わせて5分未満ですが見もの。今作がクソ呼ばわりされないのはコレのおかげだと断言出来ます。

→ よかれと思って(悪意・重過失)
奇跡のシーンからの後半戦。何を誤ったのかジャンルがSFモキュメンタリーからホラー・モキュメンタリーへ移行。この手の作品を見慣れていたので既視感の連続でした。とどのつまりジャンルの方向性をSFからホラーへ転換したのが間違いでした。メジャー作品の亜流として認識するしかなくなります。エイリアンの侵略方法というのが古典的で比較的穏便なやり方だから、アクションに不向きでホラーとしてアプローチするしかないので仕方ないですけどね。ジャンルとしての一貫性を途中で放棄してありきたりなホラー・モキュメンタリーに移行した亜流作品に成り下がってしまう。整合性に欠けたのが残念。

・終わりに
例のシーンは一見の価値ありだけど敢えて見る真似はしないで下さい。 首尾一貫を持ちたいですね。あの歌える農家達のように。
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