くまねこ

タンジェリンのくまねこのレビュー・感想・評価

タンジェリン(2015年製作の映画)
3.3
「タンジェリン」をAmazonプライムで初視聴。ショーン・ベイカー監督長編1作目。
iPhone5Sにアナモルフィックレンズ(ワイドスクリーンを撮影・再生するための特殊なレンズ)を装着して撮影したコメディ映画。

クリスマスのロサンゼルス。トランスジェンダーの娼婦シンディは恋人が浮気していることを知って怒り狂い、浮気相手を懲らしめるべく街を奔走する。またシンディの親友で歌手志望のアレクサンドラはクラブでのライブを目前に控えていた。一方、アルメニア移民のタクシー運転手ラズミックは、自らの欲望を満たそうとしていて…。

ショーン・ベイカー監督は変な盛り上げやクリスマス感動ストーリーにもせず、人間模様を淡々と描くスタイルは好感。
主人公に、実生活でもトランスジェンダーの黒人女性2人をキャスティングし、演技経験もないのに映画を撮影するってすごい。「レッドロケット」と同様に、ドーナツ店というロケーション設定は既にここから始まってたのね。

ショーン・ベイカー監督の作品って、何気ないシーンで美しい構図や色鮮やかなカットが急に入りハッとすることがある。(ドーナツ店での赤青黄色は計算したカット等)

途中で先が読めてしまったが、全員が集結しての痴話喧嘩が本当に馬鹿馬鹿しい。

洗車中に事を済ますタクシー運転手ラズミックの性癖たるや、トランスジェンダーだけでなく、彼も色々と複雑で大変だ…。

モーテルの売春宿から主人公シンディに無理矢理拉引っ張り出された女性ダイナが終始裸足で歩かされてるのが可哀想。

ラストはトランスジェンダーの黒人女性2人の友情物語、ブロマンスといったところか。
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