Ryu

ザ・サークルのRyuのレビュー・感想・評価

ザ・サークル(2017年製作の映画)
3.5
メイ・ホランドは友人のアニーの仲介により、世界最大のSNS企業“サークル”へ就職する。メイの入社から間もなくして、CEOのイーモン・ベイリーは新たなサービス“シーチェンジ”を発表。そのサービスはあらゆる場所に小型カメラを設置しその映像を誰もが共有できるようにするというものであった。

SNSが飛躍する昨今。自分はInstagramもTwitterもやってなくて、SNSというものがそんなに好きではありません。このFilmarksもあくまで記録用として使用しています。
劇中、イーモンが車椅子生活の息子に色々なことを共有することができる という話をしていました。確かにみんなに共有して、一緒に楽しむことは素晴らしいことだと思います。ただ昨今のSNSはそういった共有よりも、承認欲求を発散させる場になってしまっている印象があって、あんまり好きではありません。なので既に現代のSNS社会に違和感を感じているのですが、今作はそのSNS社会が行くとこまで行った という世界になっています。何もかもを共有して、プライバシーってもんがなくなってしまう という世界観です。まぁディストピアな訳ですが、これがありえない話ではなくなってきてるなぁ と思って、ちょっと怖くなってきました。
“サークル”の会社もマルチ・宗教っぽくて怖いですね。トム・ハンクスの優しそうな見た目もこんなキャラクターだと怖く感じます。やっぱりこういう組織のトップってカリスマ性があったりするもんなんでしょうね。
主人公を演じたエマ・ワトソンもハリポタがブレイクしたおかげでプライバシーを侵害されることも多かったのではないでしょうか。そんな彼女がこの役をやることはなんだか意味ありげなことだと思いました。
テーマは中々おもしろいし、キャストもビッグネームなんですが、ラストもちゃんと着地した感じはしないし、展開も安直な感じで、現代社会への警告 というメッセージは伝わってくるんですが、如何せん 重みがあんまりなかったかなぁという印象です。
エマ・ワトソン目当てで鑑賞したのですが、カレン・ギランもめちゃくちゃ綺麗。エマ・ワトソンと並んでも、文字通り頭ひとつ抜けているスタイルの良さに見惚れてしまいました(笑)。
今作が、図らずしも主人公の両親を演じたビル・パクストンとグレン・ヘドリーの遺作になってしまったそうです。
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