野生児

殿、利息でござる!の野生児のレビュー・感想・評価

殿、利息でござる!(2016年製作の映画)
3.5
原作は『無私の日本人』。
実話を元にしたお話。

『冥加訓』
人間とはこうあるべきという教え。
性善説を基準とし、富は分け与えることで十倍になって返ってくる。財は溜め込んでも十倍神様から取り立てられる。
手足を使って働きなさい。
人や馬を使って稼ぐのではだめだよ。
人はそれぞれに役割があって上のものほど重くなる。
という道徳的なものが物語の根底にある。

最初の前提がわかりにくいかも。
簡単に説明すれば、税金が重すぎるから、村で大金集めて県に貸し付けて利息で税金相殺しようぜ!って話なんだけど、実際はもう少し複雑。

通常、伝馬役(物資輸送)の役割を命令されている宿場町にはその手間賃を所属している仙台藩から助成金として支払われる。

だけどターゲットの吉岡宿は仙台藩にぞくしておらず助成金が貰えない、命令だけされて伝馬役のお金を宿場町で負担していた。
よくわからんけど宿場町って指定されるとこの業務は義務化されるんだろね。多分。

なので毎年重い税金の他に負担しなければならないお金があって、夜逃げが頻発。
それを解決するため、仙台藩の窮困をターゲットに大金(約3億円)を藩に貸付け、そのとき10%の利息で税金、伝馬役の代金を相殺することで、宿場町の未来を作ろうというのがメインストーリー。

トントンとストーリーは進んでいくが、実際は9年近くみんな銭湯にも行かず貯金したようです。キャストが豪華でみんな表情で語るからセリフ少なくても見ちゃうよね。

日本人て、商人てすごいなって素直に感心できるお話でした。
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