Donguri5656

シン・エヴァンゲリオン劇場版のDonguri5656のネタバレレビュー・内容・結末

5.0

このレビューはネタバレを含みます

令和版「イデオン」だった。

製作時点で最高の作画、
壮大な家族内の揉め事、
人類・世界のリセットと再生、
バンダ・ロッタまでいるし⁈

エヴァって、
どんなにビックバジェットになっても、

どこまでも庵野秀明の
プライベートフィルムだなって思うけど、

TV版の、血の通わないキャラたちが、
ここに至って、

地に足をつけ、
日常をひたむきに生きる姿に、

主人公というより、60歳にして庵野秀明
の精神的安定とその成長を感じた。
(偉そーですみません)

少年の成長って、ロボットアニメの定番
だけど、テレビ版から終劇に至るまで、
まさに作者の成長譚となり、私小説で
あったのだろうね。

そういう意味では、全作が「逆シャア」
でもあったのかな。

マリの登場時点で、有り様が変わったなと
思ったけど、

ラストのあそこで、マリと一緒に走る
シンジの姿、

もう綾波に向けるシンパシーはなく、
父、母、ミサトさんの庇護もなく、
二人だけで進む姿に、

肉体を持ち、血の通った人生をいくんだな、
と感心したやら、ホッとしたやら、
ここまで25年が必要だったんだろうな、
と思ったり、

リブートしてまで至ったラストが、
「気持ち悪〜い」の真逆というのが
とても感慨深い。

例えば三島由紀夫なんて、
あれだけ書いて行動しても結局そこに
至らず、世間と和解できなかったんだし。
(安野モヨコのおかげ⁈)

TV版最終2話まで飲み込んで、
あのあたりの演出もきっちり正当化して、
まさに、「すべてのエヴァ」の締め括りになってたね。

自分はエヴァの熱心なフォロワーでは
なく、単なる同時代人なので、今後、
詳しい人たちによる目の覚めるような
解説を楽しみに待ちたい。

聖地化による版権ビジネスで長期に収益を
上げられるよう、自覚的に地方都市のイメ
ージも使ってる感じだよね。
Donguri5656

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