青あお

異邦人の河の青あおのレビュー・感想・評価

異邦人の河(1975年製作の映画)
3.5
“ぼくは誰だ?”

※先程投稿したのですが文章がひどかったので修正して再投稿します。いいね、してくださった皆さま、すみません🙇※

元「キャロル」の故ジョニー大倉氏が自身のルーツが在日韓国人である事を公表し、本来の韓国名で主演した作品です。

こういう作品には付き物の反日的な描写や日本人からの差別みたいなものは全然出て来ません(ちょっと肩透かしを食らった気がするのはなぜでしょう、笑)

ここからは、ややこしいのでざっくり

①(差別用語ですが作品内で使用されていましたので、そのまま書きます)
パンチョッパリとしてのアイデンティティ

②恋人スノンとのアイデンティティを巡る対立、そして恋愛模様。

③韓国の軍事政権に対しての政治的なイデオロギー

詰め込み過ぎな印象はぬぐえませんね。③を削ってスリムにしてほしかったかなぁと、その方がわかりやすいのになぁ。
韓国人としてのアイデンティティを確立し恥じる事なく生きていこうとする姿を描くだけで良かったのに。
監督さん、ちょっと欲張ったかな、笑。

もうひとつ、全体的にやや感傷的過ぎてちょっと鼻白む感じがなきにしもあらず。
これもマイナスポイントでした。

ただ、全体を通して在日韓国人としてアイデンティティに苦しむ姿はとても生々しいものでしたし、時代の空気を切り取るという意味でも見応えは充分でしたね。

ラストシーンはイマイチ好きな感じではなかったですが、ジョニー大倉さんの歌は良かったですねー、ジーンときちゃいました。

スノン役の佳那晃子さんの美しさは息を呑むほどでした、と、個人的な女性の好みの表明で感想をしめたいと思います笑
青あお

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