Otun

さようならのOtunのレビュー・感想・評価

さようなら(2015年製作の映画)
3.6
早く観よう観ようと先送りになっていた今作『さようなら』。

劇作家で演出家の平田オリザさん率いる劇団『青年団』公演の映画化(てか深田監督自身が青年団所属(出身?)なのね。驚)。

田舎町。原発事故による放射能汚染により、国からの避難指示の順番待ちをする人々。

景色や空はこんなにも美しいのに、その土地に居られない矛盾。
一人、また一人と去っていく周りの人々、残された自分。
死にいく人間と、死ぬことのないアンドロイド。
常に対極的に置かれた状況が、この二時間の映画の不思議な味わいになっていて、観客はこの行間を想像力を使いながら観ないと寝落ちすること受け合い(私も2度ほど落ちかけた)。

美しく、悲しく、難解な映画でございました。
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