マフィーの現在はオミと結婚して子供もいる。早朝電話が鳴り、かつての恋人エレクトラと連絡が取れず心配している、彼女の母親からだった。そこからエレクトラとの愛の物語を思い出していく。
物語はいたって単純であり、また過去にさかのぼっていく手法で、カチカチと切り替わる映像はまるで絵画を見ているよう。もちろん愛し合うシーンや3Pもあったりしますが、回想のシーンは独特の色と、間を埋める音ではなく、ポエティックに言葉に心情をのせるように流れる音楽により、セックスがこんなにも美しく、ロマンティックな物に見えるなんて、まさにこんなにも”エロイ”行為が芸術に見える。
愛とはまさしく純粋で永遠で、美しいものであるはず。その映像の魔力にひきこまれ、自分の中の過去の記憶を呼び覚ます。愛と欲望・・欲望に身を任せ、愛に溺れ、見失ったり、恋愛による失敗を呼び覚ます。赤い映像がその断片をたたきつけるように、過去の自分の過ちを攻め続けるのだ。男だからとか女だからとか関係ない。
3Dの映像により、その肉体は真実味を帯び、ただただ映像としてたたきつけてくる。
そうして気が付くのだ・・愛するとは何か。
この人を守りたい。
愛してる。たったそれだけ。
まさに親が子供を思う気持ち。自分の命をかけても守る。
それだけなのだ。
もちろん愛を形であらわすのがsexであり、その結果は子供である。精液は愛の濃度であり、子供への愛は出会った時のその純粋な気持ちとよく似たものである。
マフィーの性生活を覗き、その浮き上がる肉体と共に、自分の過去と向き合い、裸にされて、気が付く。
私には純粋に愛するということと向き合わせてくれた映画に思えた。
もちろん映像と音楽のシンクロ感があって、そうして3Dであるからこそ、向き合え自分なりのLOVEを見つけた気がする。