FutosiSaito

ベストセラー 編集者パーキンズに捧ぐのFutosiSaitoのレビュー・感想・評価

4.0
 クリエイターとプロデューサー、これがテーマだ。ゆえに面白い。
 天才的芸術家には得てして規範意識が不要でもあり、世間になじまないところもある。
 また、突出した才能ゆえに、世間の先を行き過ぎ、売れないこともある。
 そこで世間と芸術家とを繋ぐ者として活躍するのがプロデューサーだ。
 ここでは編集者、ヘミングウェイやフィッツジェラルドを世に出したパーキンスがそれだ。
 編集者と作家の共同作業も丁寧に描かれ、その家族的な関係も、見せてくれる。
 夏目漱石には岩波茂雄がいたが、『山月記』の李徴にはいなかった存在、才能を見抜いて世間に売り出す存在を描いた面白い作品だった。
 原題が「天才」というのも面白い。
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