めかぽしや

美術館を手玉にとった男のめかぽしやのレビュー・感想・評価

美術館を手玉にとった男(2014年製作の映画)
3.7
全米20州、46の美術館を30年間騙し続けた贋作画家マーク・ランディスのドキュメンタリー。

ランディスは幅広いスタイルの絵画を模倣し続けて“慈善活動”と称して美術館に寄贈していた。
そう、自身の才能を証明する事や金儲けなどまったく縁のないので罪には問われない。

そして贋作と見破った元美術館職員のレニンガーはランディスに魅せられていく。

レニンガーは何とかランディスと会おうとし、最後はようやく機会が持てる。
長年追っていたランディスに会う時のレニンガーがとても緊張感している姿がとても可愛いらしかった。

ランディスは10代の頃に統合失調症と診断され、贋作を手がけるようになったのも自らのセラピーだと思う。

ランディスのやっている事は人を騙す事でけして良い事ではない。
ただ、言えるのはランディスの画家としての才能は素晴らしい事。
後半、何人にも才能を認められオリジナルを描いて欲しいと懇願されていた。

でも、すごく良く分かるのは
ランディスは贋作をつくる、模倣する事が好きで達成感があるのであってオリジナルを制作するのとは全く違う。
これは私の主観だけど、
私も服のデザインを起こすより
提示された形を起こす方が好きだから。

それでも、私はランディスの心の均衡を保っためにも好きな事を続けて欲しいと思う。



フェルメール贋作で有名なファン・メーヘレンの話しも面白いので興味のある方は
フランク・ウイン著「私はフェルメール 20世紀最大の贋作事件」
読んでみて下さいね!
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