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マネーモンスターのSSDDのレビュー・感想・評価

マネーモンスター(2016年製作の映画)
3.3
◽️概要
財テク番組マネーモンスター、MCは軽薄で口が達者な男と組むのはディレクターの優秀な女性。
エンターテイメント性を持たせながら株価などを評価するのだが、アイビス社の株価がいきなりの下落が発生。それについて言及していると番組に男が銃を持って乱入する。

◽️感想(ネタバレなし)
ジョージ・クルーニー、ジュリア・ロバーツが主演。ジョディ・フォスター監督のソニー製と安定の絵と演技が保証される安定感。

社会風刺が強くエンターテイメント寄りとも言い難いなんともいえないラインで、釈然としない。
途中まではサスペンス的に楽しめるのだが、キャラクター達の個性、魅力不足なこと。
また帰結していく先が見えているので、妙な収まり具合に物足りなさを感じてしまう。

序盤のテレビマン的な要素は業界感が強い描写で引き込まれていくのに、金融機関、警察機関などの見せ方が内容が薄く、テレビ業界よりな視点が面白みに欠けたのだろう。

兎角、豪勢な素材な割に淡白な仕上がりに、白米には合わないおかずのような薄味の作品。
二日酔いの朝にはいいかもしれませんな。おっ上手いこと言えたんじゃないか…違うか。











◽️感想(ネタバレあり)
・テレビジャック犯の救われなさ
数少ないツイストが彼女が通話に出たら、殺意バリバリのディスりしかなく、頭ぶち抜いて死ね!と言われる悲惨さ。
そう言われるに値するくらい頭の悪い犯人で、あまりに知性を感じないし目的が公共電波に乗せた元凶企業からの謝罪にも関わらず、世間は終わったら無関心とばかりにテーブルサッカー開始して切り替わる場面がエグすぎる。
魅力的な犯人でもない上に世間に与えた影響も、一社の厳罰のみってあまりにもしんどい。

社会風刺的にMCの命も含めて、世間にとって一個人は一時バズ対象になっても無関心ですぐに興味を失う対象という批判なのだろうが、あまりにも酷だった。

・テレビ業界映画?
金融、警察が無能でテレビは命張ってまっせ!みたいなテレビ業界万歳!のような作風に違和感を感じるのはなんだ。もちろん軽薄でハリボテな人間は多いが、ジャーナリズムは生きてます!みたいな内容に終始したのは驚いた。

・来週の番組
来週も変わらず放送すんの?トーン変わらず?
オープニングの阿保なラップ含めて構成変えないならまったく成長してないというオチなんだが、なんだこれはホラーか?

・総評
中盤まではハラハラしていたが、キャラクターの魅力がないことと、警察無能、敵役の薄さ、オチがストレート過ぎて恐ろしい仕上がりだった。
何事なかったごとく変化が少ないオチと、世間の関心のなさ、貧富の差を社会風刺とするとしても、持たざる者の個性や魅力、知性などを深掘りしないと成り立たない。
金銭的に対等ではないのは環境、社会が悪いと思わせる要素が大前提なのに、その描写が希薄な時点でカタルシスがなかった。
配達人で時給14ドルで、自己起因でもないのに事故に遭い、なけなしの投資も博打のように消えたというのような背景がないのはどうしてだったのだろうか。

共感できるキャラクターの必要性を改めて感じれました。
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