広島カップ

ヒッチコック/トリュフォーの広島カップのレビュー・感想・評価

3.0
ヒッチコックにトリュフォーがインタビューをするパートとデビット・フィンチャー等映画関係者がヒッチコックに対するコメントをするパートで構成された、「ヒッチコックとは誰ですか?」の一端を明らかにする作品。
最初は何気なく観ていたのですがヒッチコックへのインタビューで彼のコメントの部分になると、「ちょっと待てよ、もう一回」と巻き戻してその部分を観返してしまいたくなります。

印象的なものをまとめてみると、ヒッチコック曰く…

「映画館の観客は何を観せてくれるかといつも期待する。その期待を裏切る訳にはいかない」
「ロジックなんて退屈だ」
「サスペンスはサプライズとは違う」
「サスペンスは恐怖とは関係ない」
「大事なことの一つは空間をドラマチックに活用することだ」
「思いのままに時間を操るのが映画の楽しみではないか」
「人間の眼は必ずしも心の表現ではない」
「サイレントこそ純粋な映画形式だ。音と引き換えにこの純粋な映画的手法を捨てたのは惜しい」
「映画は観客のために作られることを忘れてはならない」
「サイコは手品のように観客を騙すゲームだった」
「私の最大の満足は映画(サイコ)が大衆に受けたことだ」

なかには意味がハッキリしないものもありましたが『鳥』や『サイコ』等を観ていると随分と勝手にやりたい放題をやっているように見えて、実は根底には観客ファーストの意識があることが解ります。
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