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ノクターナル・アニマルズのnanaaronのネタバレレビュー・内容・結末

ノクターナル・アニマルズ(2016年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

反省させるときの手段としては、「わかるまで繰り返し」が王道かつ王様だと思ってたんだけど、「小説にして読ませる」もなかなかやなw

特に、自分に過剰に自信があるタイプには有効かもしれん。自分で頭が良いと思ってるタイプ。

そうそう、スーザン。

どう考えてもスーザンの実利的・利己的な性格がアート関係の仕事に向いてるとは1ミリも思わないけど…世界観としてはアート有りきでピリピリした緊張感が保たれる、好きなタイプの演出だ。

全裸オープニングもおもろかったし許すw

スーザンも最初はこの小説の仕組みに気付いてないのが肝だよね。途中まで行ってヒエってなる。

それが観客と同じなんだ。完璧に客観的なスーザン体験。つらいね…

この後に及んで、お洒落して指輪外して高級店にのこのこ現れる自分をどう思うか…追い討ちをかける良いラストだ。

だけどさ、エドワードも大概やで。こんなに純粋に美化された主人公っているか?w(フォレスト・ガンプは除外だ。あいつはただのバカだから)

そりゃそうだ。だって書いたの自分だもん。

逆に気持ち悪いよ…

誰にもスーザン的要素はある訳で、それを夜行性動物に例えて凶弾される。

つまり観客みんなスーザン的心当たりがある。そのへんが本質的にこの映画を不気味にしてる。

胸が騒つくような魅力。

そんな復讐を、そんな小説を作ったエドワードも、おれは夜行性動物やと思うけどなぁ…

良い映画っていうのは喧嘩のシーンがいいよね。それも殴り合いじゃなくて口喧嘩。

感情論の中に小賢しさが嫌らしく盛り込まれてる。

さて、夜行性とか言われる前にそろそろ寝ようかな
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