ぶちょおファンク

ハッピーエンドの選び方のぶちょおファンクのネタバレレビュー・内容・結末

ハッピーエンドの選び方(2014年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

序盤★5 中盤★5 終盤★3

“尊厳死”というめちゃめちゃ重いテーマやのに、シュールな笑いが随所に入っていて、
中盤までは泣かされながらも笑える素晴らしい作品やと思いましたが、
終盤の展開が微妙なのが惜しい。。。

手塚治虫先生の「ブラックジャック」のDr.キリコや、劇中にも名前が出てきてアル・パチーノが演じ映画にもなっている実在したジャック・ケヴォーキアン医師。
彼らは尊厳死、安楽死を手伝う医師として有名だ。

ヒトとして、いや生命として生に執着するのは生まれたものの務めかもしれない。
けど、死を受け入れる、命を殺すのではなく自分の意思で死を選ぶのも理知的な動物であるヒトの尊厳だと自分は思っている。

肉体的限界、精神的限界、自分が自分でなくなり、ただ生きている、生かされている事に意義はあるのだろうか?
自殺、尊厳死の幇助(殺す)は悪い事で、尊厳死は死を美化しているのだろうか?
自分は骨折で2度ほど全身麻酔の手術経験をしていますが、
もしこれが生きるか死ぬかの手術だとして
「何の苦痛もなく一瞬でスーッと麻酔で眠りについて死ねたら楽だろうな…」
っと麻酔が切れ意識が戻って激痛が走るなか考えたりもしたが、
まあその辺は各々の価値観、死生観です。。。

途中色んなヒト、色んな場所で同じ歌を歌うシーンがあり、
これはP.T.A.監督『マグノリア』でもあった演出で、個人的にこの手法は
“これはフィクション(童話的、絵空事)なんですよ”
っというのを強調する意味と、
偶然の一致や共鳴、ある種のファンタジーを描いているようで好きな演出。

余談ですが本作はイスラエルの映画で、イスラエルのファンクやサーフロックの音楽は聴いたコトがあって少し注目してたんですが、映画もなかなか良いですね。

2017年221本目