千年女優

天空の城ラピュタの千年女優のレビュー・感想・評価

天空の城ラピュタ(1986年製作の映画)
4.5
鉱山で働く機械工見習いの少年で、亡き父が目撃を主張するも証明できずに終わった「天空の城ラピュタ」発見を夢見るパズー。ある夜に空から降り立った少女シータと出逢った彼が、その正体はかつて栄えた天空都市の王族の末裔でカギとなる飛行石を持つために海賊ドーラ一家や軍に追われる彼女と繰り広げる冒険を描いたアニメ映画です。

『風の谷のナウシカ』を成功させた宮崎駿が、高畑勲の『柳川堀割物語』製作遅れに伴う資金調達のため徳間書店出資でスタジオジブリを設立して制作した作品で、主題歌『君をのせて』が卒業式の定番化したりTV放映の度に高視聴率を集めるなど、ボーイミーツガールのファンタジー冒険劇で老若男女の心を掴むジブリの代表作となりました。

見果てぬロマンとその裏腹の浮足立つ不安という「空」に象徴される宮崎駿の主題「呪われた夢」を冒険譚としての類稀なワクワク感とリンクさせながら広がる物語の中、人物と建造物に食べ物を魅力的に映すアニメーションに抜かりはなく、それでいて核となるのは子供の持つ「純心」と、動くべきものが動くアニメの神髄を貫いた一作です。
千年女優

千年女優