やまもとしょういち

20センチュリー・ウーマンのやまもとしょういちのレビュー・感想・評価

20センチュリー・ウーマン(2016年製作の映画)
4.5
パティ・スミスの1stアルバムは1975年。Televisionの1stは1977年。Sex Pistolsの1stも1977年。シド・ヴィシャスは1979年に、イアン・カーティスは1980年に死んだ。

90年代に生まれた軟弱なロック好きの自分が知る由もない、1970年代の終わり。

1979年。サマーオブラブの残像、にわかに沸き立つパンクムーブメント、旧時代的な価値観の崩壊。新しい生き方を模索する若者たちの文化、その新しい波が、古い世代を飲み込み、時代を変えていくーーそんなパワフルな時代に、戸惑い、迷いながらもまっとうに生きる人たちのドラマ。

って書くと陳腐になってしまうけど…なんか、僕の周りではすごくフェミニズム的な論調で語られすぎていて、でもこの映画がフェミニズム的な切り口だけで語られるのは正直違和感しかない。(それが主題だからって言われると、なんだか寂しいし、でもこれを観て勇気付けられる女性たちがいるのもわかるんだけど…)

ユーモアも一流で、話自体も抜群に面白いし、アネット・ベニングはじめ、みんな愛おしい顔していた。というか、分類的にはコメディーなんですね、なんて最高の映画なんだ。