はまたに

レディ・バードのはまたにのレビュー・感想・評価

レディ・バード(2017年製作の映画)
4.6
10代の日々を思い出す。などというとんでもない人生の禁忌を犯してしまうことがある。戻れもせぬのに大アホウ。なんたる野暮か、なんたら愚鈍か。ほれみろ、あのありきたりなあの日々が、どうしようもない逡巡が、にわかに輝きだすではないか。あれほど忌避した隅々が、色を帯びては誘うでないか。あー、こりゃあ3日は使い物にならんね。酒でも浴びて伏してやがれ!

そんな(どんな?)ありきたりな日々の感触をこうまでさらりと切り取る感覚。映画作品にしてしまう感性。『フランシス・( ゚д゚)ハッ!』のときもそうだったけど、グレタ・ガーウィグのこの感じってなんだろな。なんでこんなさりげないことできんだろうな。

そんなことを思いつつめちゃくちゃ引き込まれました。

これは2010年代の『JUNO』なのかなと思ったけど、あっちほど映画的な出来事はない。この「日々の記憶の積み重ね」は『君の名前で僕を呼んで』にも通じるかなとも思ったけど、あっちはどう転んでも絵になる夏の南イタリアだ。こっちはサクラメントだぞ(サクラメントってのがどの程度のニュアンスを持つものなのかは実際のところはよくわかってないけど)。

とかいろいろ考えつつ、『20センチュリー・ウーマン』とか『スウィート17モンスター』とか観てないのはやっぱいかんなと思う次第でした。

うむ。軌道修正してよかったわい。冒頭の感じで書き続けてたら、またもクソ長文になるとこじゃったわい。セーフセーフ。

ともかく、レディ・バード、期待以上におもしろかったです! よし、ピンクヘアーに自分もすっか!
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