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ボーはおそれているのはまたにのレビュー・感想・評価

ボーはおそれている(2023年製作の映画)
4.0
ボー、思てる以上におそれている。

いや言うほどおそれてないやろ〜、大げさやな〜、ちょっと見せてみ?、いやホンマや! みたいなセルフでフリオチしたくなるほどおそれていた。ホアキン困り顔フェニックス。

そもそもボーは誕生時の事故からスキゾな資質を持ってしまったおかげであの悪夢な非現実を生きるハメになったのか、もしくは冒頭のあの時点でボー本人は分娩台で亡くなっていて、その後のすべては生まれ死ぬその刹那に溺れた母の残留思念みたいなものの記憶だったのか。後者だとしたら一炊の夢ならぬ一炊の悪夢って感じでおもしろいけど、まあよくわからん。

最初にボーが出てきた小部屋も(扉の向こうに水槽)、最後の競艇場みたいな水上法廷も子宮を表しているんだろうなとは思うし同じ子宮でや羊水でもそれぞれの意味合いは異なっているんだろうなとは思うんだけど、ぜーんぜんもう考えんのめんどくさいし、やっぱりよーわからんという感じ。

嫌いじゃないんだけど、リンチやクローネンバーグにもそこまで耽溺しない人なので、この独創的な悪夢に3時間はちと長いかなと思ってしまった。

こういうのって多分に宗教的な下敷きがあるんだろうけど、キリスト教の逸話や禁忌みたいのも知らないし、さすがに仏教の五蘊盛苦を表してるとも思えんので、どうあっても理解は進まないのな。でもボーと違っておそるべき何かはないので別にまあいっかーという感じ。

ボーっとしてんのも平和でいいですわ(これはこれで悪夢)。
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