みなりんすきー

シークレット・デイ あの日、少女たちは赤ん坊を殺したのみなりんすきーのレビュー・感想・評価

3.3
『私は反対したし──殺してない』

『子供を連れ去る人の気持ちが知りたい それが事件解決につながるかも』

『ママはいつも諦めるなという でもママは私をあきらめてる』


■ あらすじ ■
地方の町オレンジタウン。初のアフリカ系判事の孫娘である赤ん坊が誘拐され、遺体となって発見される事件が発生。いずれも11歳の少女2人ロニーとアリスが逮捕され少年院へ。7年後、2人が出所した直後、3歳の幼女が行方不明になる事件が発生し…


■ 感想 ■
『シークレット・デイ』
(『Every Secret Thing』)

ダコタ・ファニングちゃん目当てで鑑賞。子役時代は天使のような可愛さ、そして今はその可愛さを残しつつも大人の女性としての魅力に溢れた美女へと成長しております。今回は不良少女系の見た目ですが、またそれもヨシ。

90分ほどでさくっと観られる内容ですが、サスペンスの中でもかなり重めの部類だと思います。ここでいう重さというのは、難解とか重厚さの意味ではなく、扱うテーマの重さです。乳児殺害や幼児誘拐、少年犯罪などが主となっているので、結構エグい。お子さんがいる人とかには特に胸糞に感じるかもしれない。

現在進行形で起こっている誘拐事件と、7年前に起きた乳児殺害事件の真相、2つの事件を同時に追っていく2人の刑事。基本的に観ている側の私達も刑事側となって、アリスやロニーの供述などから少しづつ迫っていくかたちなんですけど、2人の供述通りに過去回想のシーンが流れるので、仮に嘘が混じっていてもそれも回想のように再現して見せられるパターンなので、正直終盤までその過去回想は一切アテにならないんですよね。ラストに近づくにつれ、やっと本物の回想が見られる。なので、ぶっちゃけ一緒に謎解きしたりだとか真相を予想したりだとか、そういうスタイルで鑑賞するのには向いてないです。どの供述が事実で嘘なのかを考えるくらいしか出来ません。

ただ、それがつまらないというわけではなく、群集劇のような感じで繊細に描かれており、最後まで飽きることはありませんでした。何より終盤で明かされる事実が結構衝撃的で、そしてやっぱりかなり重い。そういう意味で見応えはあるし考えさせられますが、でもやっぱり胸糞ではある。

あのデブの件に関しては結構センシティブな内容なので触れようか迷ったんですがフォロワーさんのレビューをチラ見したところ皆さんやはりイライラしたのでしょう結構容赦なく書かれていたので私も便乗して書かせていただきます。笑
「私ばっかり…」「デブは信用されないのよ」という卑屈になっているだけのデブならまだしも、その不平不満を他者にぶつけまくるだけでなく、まるでそれが当たり前の権利であるかのように正当化し、最初から最後まで我が身可愛さで行動するデブなんてマジで許せないよね。デブなのは全然いいからせめて明るく綺麗な心であってくれよ。一生懸命スタイルを維持している人と比べたら好き放題いろんなもの吸収しまくってるんだろうから、吸収したぶんそのエネルギーをプラスに変えてくれよ頼むから。可哀想なのはお前だけじゃない。悲劇のヒロインぶるのは本当によしてくれ。もっと辛い思いしてるけど耐えている人だって世界にはいくらでもいる。「こんな可哀想な私なんだから何したって許される」考え方は本当にダメ。冷静に考えろ、許されるわけがない。

あと正直ロニーにもう少し焦点をあててほしかったな。かなり重要人物なのに、最後まで彼女の心理にはあまり近づけなかった印象。内容が内容なんだしもう数十分伸ばしてもいいから、観ている側がもっと登場人物の誰かに共感したり寄り添えるような作りにしてほしかったかな。どうしても最後までその世界にのめり込めずずっと外から見てるだけの感覚が拭えなかった。そこが惜しいところ。全体的なタッチはすごい好きです。