たつなみ

パーティで女の子に話しかけるにはのたつなみのレビュー・感想・評価

2.0
あの高橋ヨシキさんが週プレで100点を付けた作品と聞いたら最優先で観るしかない!と気合を入れて映画館に向かったものの……私にはノレませんでした。

冴えないながらも夢を持っている童貞兄ちゃんがカワイイ女の子に出会って恋をしたら、彼女はエイリアンだった…という、ちょっと捻ったストーリーだが、彼女のバックグラウンドであるエイリアン達の設定がどうにも違和感しか無く、気になって仕方がない。

あのエイリアンって地球人の姿をしてるけど、元々の姿って無いの?
昔観た『V』っていうTVドラマみたいに、人間の皮の下はトカゲみたいだったら面白かったのに。
あとやたらと乳首を強調したコスチュームとか、ヘンな踊りとか何なの?
しかも彼らの生殖方法が全く意味不明。
なんか戯れにSEXっぽいことをしてるけど、妊娠もするみたいだし。
そもそもコイツらは何の為に地球に来たのだろう?

様々なパンク・ロックが流れる作品だが、率直に言ってパンクのアナーキーな思想は上っ面だけの様に感じた。
厳しい規律に縛られたエイリアン達の世界に対し、パンクの思想でそれをブッ壊すという展開は理解できるが、それならば最後までその勢いで突っ走って欲しかった。

観客はパンクの持つ『反体制』とか『不服従』っていうカタルシスを求めているはず。
それなのにあのラストシーンを観ると、『どんなに突っ張ってても誰しもいつかは大人になる』っていう、ありきたりな結末に過ぎないと感じてしまう。
確かにその通りなんだけど、そこまで描かなくても良くないか?
少しだけ主人公グループが大人になったっていう程度の終わり方で十分だと思うんだけど…。
(パンク弱者の勝手な言い分です)

『トレインスポッティング』を思わせるカッコいいオープニングから、『宇宙人ポール』を思わせるエンディングという、何ともSF(すっごく不思議)な作品。
エル・ファニングは輝く様な可愛らしさだし、アレックス・シャープ君は初めて観たけど演技力があり、とても頑張っている。

…でも正直、私はレンタルで充分だと思います。