突如地球に現れた12個の飛翔体、それはUFOというにはあまりに大きく分厚く重くそして大雑把すぎるので、中に入って調べてみよう（たびたび開く）、と米軍に呼び出された言語学者のルイーズとホークアイの人はその目的を聞き出すことができるのか、な話。
アカデミー賞ノミネート、てことは怖くはねえんだな、とずっと敬遠してきましたが、たまにちゃんとした映画を見ないとね。俺はてっきりスターシップトゥルーパーズめいたものを想像してましたが、もちろん全然違います。
いやー、引き込まれた〜。もちろんトンデモシチュエーションスタートなので、いきなりルール無用なんだけど、まず序盤からずっと怖えのよ。マジで何かわからないし、恐怖というか不安がヤバい。これは、視聴者というか人間がこの「異常」に直面した時の恐怖、不安そのものだと思う。それを映像からシンクロさせる技術はお見事。マジでいつ食べられちゃうのか、弓矢が発動するのか、ずっとビクビクさせられます。
が、これジオラマは洋画で展開は邦画な感じ。シン・ゴジラに近い感覚。一つ一つのピースを繊細かつ確実に組み立てて頂点に辿り着く...が、そこからさらに難解なロジックがあって、合気道のようにこちらを180度回転させる。渋川剛気かよ。全てをSFで括ると安っぽくなりそうなんだけど、こちらがキチンと頭使って考えれば最後はスタンディングオベーションを禁じ得ない、派手が好きには地味過ぎるが見て損は無かった作品だと思います。面白かった。
監督同じなので、前回見た「灼熱の魂」と転がし方は少し似てるかも。
映画館で見て、外ですぐに「え〜つまりどういうこと〜？意味わかんないだけど〜？」とか言ってるやついたら、ビンタしてもギリギリ大丈夫な作品です。それくらい、彼女の決断は美しい。
余談ですが、この映画公開時にこの「殻」とお菓子の「ばかうけ」の形が似てるからとコラボキャンペーンやってたの、幼稚だよね。ドントブリーズの丼プレゼントも相当幼稚だったけど。
